晩秋蚕期の繭出荷に向けて養蚕農家巡回

JAちちぶは、平成29年9月15日、晩秋蚕期(ばんしゅうさんき)の白繭出荷に向けて、秩父地域の同JA養蚕部会員の各飼育場を巡回し、蚕の生育状況などを確認しました。

今年は、8月の長雨の影響で餌となる桑の葉が柔らかく蚕の状態が心配されたが、各農家の管理の徹底により、全体的に蚕の生育は順調です。

JA職員や県秩父農林振興センター職員、県農業共済組合職員(NOSAI埼玉)ら5人が、各飼育場を巡回しました。

蚕は、ほとんどの農家が2齢まで稚蚕共同飼育し、9月3日に配蚕したものを飼育。5齢で上蔟(じょうぞく)し、収繭(しゅうけん)して出荷します。晩秋蚕期の繭出荷は、10月上旬に行う予定です。

 

同地域における養蚕業は、古くから営まれている伝統産業で、短期間で現金収入が得られる生活に欠かせない産業でした。約50年前のピーク時には、約5,300戸の農家が繭の生産をしていました。現在も地域の重要な作目として位置付けられています。毎年12月3日に開かれる、日本三大曳山(ひきやま)祭りの一つ、「秩父夜祭り」も一年の最後を飾る絹の大市の付祭りが発祥ともいわれ、別名「お蚕祭り」ともいわれています。

しかし、高齢化や担い手不足、絹の需要及び繭価の低迷により、農家戸数が減少しています。現在地域の養蚕農家では、県産ブランドで秩父限定品種の「いろどり」繭による差別化した繭生産と産地の活性化を図っています。

同部会では今年度、「いろどり」繭を春蚕期の1回、「白繭」を夏蚕期・晩秋蚕期・晩々秋蚕期の3回。計4回の出荷を計画します。

 

SONY DSC

各養蚕農家の飼育状況を確認

各養蚕農家の飼育状況を確認

 

食欲旺盛な蚕たち

食欲旺盛な蚕たち

 

お蚕上げ(上蔟)

お蚕上げ(上蔟)

 

白繭

白繭

 

いろどり

いろどり