ジャガイモ・タマネギの「そうか病」 「とう立ち」
今年問合せの多かったこと
1 じゃがいも「そうか病」
イモの表皮が「あばた状」になり、褐変してコルク化する病気で、今年は発生量が多くなりました。
(1)多発した要因
1)イモの形成期に極端な高温・乾燥が続いたためです。
2)連作が発病を助長しました。
3)土壌酸度が高い
弱酸性~強酸性(pH5.5以下)で発生しにくいです。 微酸性~アルカリ性(pH6.5以上)では多発します。
4)バーク堆肥などの有機物の施用は発病を助長。
(2)伝染方法と発病
1)病原菌は、主に保菌種いもや汚染土壌でほ場に持ち込まれます。
2)汚染種いもによる新いもの発病は、種いもの罹病程度と関係なく、極わずかな発生にとどまります。
3)一度汚染されたほ場では、非常に長期間にわたって土壌伝染します。
(3)対策のポイント
1)輪作(5年以上作付けを休む)をします。
2)健全無病な種いもを使用します。
3)土壌pHを低く抑えるため、石灰施用を避けます。
4)多発ほ場では、病原菌量の低下を図るため、フロンサイド粉剤を散布します。
①30~40kg/10aを植え付け前に全面土壌混和。
2 タマネギの「とう立ち」
今年のタマネギは、とう立ちが多く発生しました。
太さ6mm以上の大苗は、低温に感応して「とう立ち」しやすいと言われています。
(1)多発した要因
理想苗(太さ:5mm程度、苗重:4~6g、草丈:20~25cm)を植え付けたが、とう立ちしてしまった原因は
1)冬から春にかけ気温が高い状態で経過し、生育が進んだ後に、低温に遭遇(大きくなった苗が、15℃以下の低温で花芽が出来る)。その後、温度の高い状態が続いたことによります。
2)2月下旬から3月初旬の追肥が遅れて、肥い切れ状態となったことによります。