「春そば」の刈り取り/香り高い新そばの出荷にむけて

秩父市荒川そば生産組合は、秩父市荒川地域を中心に、香り高い新そばの出荷に向けて、7月上旬から下旬まで、「春そば」の刈り取り作業をしました。

荒川地域は、現在「そばの里あらかわ」とも呼ばれるほど、そばの生産が盛んで、多くのそば処があります。荒川の源流に近い清流と自然豊かで空気が澄み、おいしいそばが味わえます。

作業は、地域に点在する、約20haの圃場を2台のコンバインで刈り取ります。刈り取ったそばは、荒川上田野地区にある乾燥施設に運び、乾燥作業を行います。乾燥機の送風で水分を20%以下までにし、最終的に14から16%になるまで水分を抜きます。水分はそれ以下でもそれ以上でも良くなく、また20%以上の状態で火にかけて乾燥させると食味にも影響が出るため、最善の注意を払います。作業工程は、ゴミの取り除き、そばの実の磨き、石抜きなどを経て、袋詰めされます。1袋は、約23kg(正味22.5kg)です。袋詰めされたそばの実は、8月2日にJAちちぶ営農経済部で、農産物検査員が出荷検査をして出荷され、地域の一部のそば処や同JAの各農産物直売所などで販売されます。

江田組合長は「今年は、雨が少なく、とても良い品質のそばができた。鳥獣害の被害も少なく、ここ1~2年に比べて生産量も多い」などと話しました。

 

秩父市荒川地域は、元々養蚕業やコンニャク栽培が盛んでした。年々農業者の高齢化に伴い、遊休農地化していきました。地域活性化のため、そば生産農家や商工会、同JA、行政機関などが連携し、1993年に地域ぐるみで「そばの里づくり」を進めました。労力軽減のため農地を集約して、農機による機械化を本格導入。コンバインなどを操作し、耕耘・播種・刈取・乾燥までを行ないます。荒川そばの特徴は、夏収穫の「春そば」と秋播種の「秋そば」の2期作で栽培します。様々な品種を比較検討した結果、地域の在来種で統一しました。「春そば」は、他の地域での栽培はあまりされていません。

 

 

そば道場あらかわ亭でも8月上旬から下旬まで「風味豊かな新そば」が味わえます。(下旬以降も地域のそば(今年の春そばも)使用)

 

「春そば」を刈り取る組合員

「春そば」を刈り取る組合員

 

春そばの実

春そばの実