「秩父きゅうり」出荷に向けて定植
小鹿野町の新井正志さんは、2月下旬に「秩父きゅうり」の出荷に向けて、ハウス5棟約7アールの圃場にて、800本の半促成胡瓜の苗(接ぎ木苗)を4人で定植しました。
定植作業には、地温を約20℃にし、定植前には、苗や植え穴に充分潅水(かんすい)を行います。潅水に使う水は、冷たいと根が萎縮し、成長が鈍くなるため、地温に近い水を使います。ハウス内の温度や湿度などの管理を徹底します。苗の活着を促し、早く成長させるため、夜間の温度は、約18度に設定します。
1苗からの収量を200本とし、2500箱(1箱5kg)の収穫を目標とします。
新井さんは、「秩父きゅうり」を栽培して、約15年になります。JAちちぶ園芸部会に所属し、現在は、きゅうり指導部長を務めます。
同部会は、生産者152人が所属し、内31人が県産ブランド推進品目となっている「秩父きゅうり」を栽培します。
平成26年2月の大雪では、ハウス全棟が倒壊するなど甚大な被害を受けました。県や町の雪害対策や助成、部会員や関係各所の協力により再建し、栽培を再開しました。現在は、ハウスのパイプを以前より太いものを使います。昨年11月に同部会で開いた「農業用施設補強講習会」を参考に各棟にジャッキと単管パイプ(太さ48mm)のセットを支柱として設置しました。
新井さんは「気象条件などの影響により、毎回キュウリの生育は違う。毎年1年生の気持ちで、勉強をし、生産者同士での情報共有は欠かせない。今年も良質な秩父きゅうりを多く出荷したい」などと話しました。
同部会の主要農産物の一つであるキュウリは、「秩父きゅうり」として、市場関係者などから好評です。有機質肥料の施肥を義務付け、土壌診断に基づき施肥設計し、良食味を追求します。同地域は、昼夜の寒暖差が大きく味の濃い美味しいキュウリができます。
今年の「秩父きゅうり」の出荷は、3月上旬(2月上旬に定植した生産者分)から始まります。