「秩父きゅうり」現地検討会(半促成胡瓜)

JAちちぶ園芸部会は、平成28年3月26日、指導部員、種苗会社、県秩父農林振興センター職員、JA職員ら14人とともに、圃場(ほじょう)6ヶ所を巡回し、管理状況の確認・指導をしました。

午後には、小鹿野町の茂木孝夫さん圃場にて、半促胡瓜現地検討会を開き、同指導部員ほか生産者33人が参加しました。

 

巡回指導では、各圃場でのきゅうりの生育状況・管理の確認をし、病害虫の早期発見、防除。展着剤の使用、農薬の散布、薬液調整などを改めて指導しました。全体的に良かったが、数ヶ所で、雑草の発生を確認。雑草を抜くと苗の根を傷めてしまうため、切って除去するなどの対策方法を指導しました。

巡回後の講習会は、各圃場での栽培状況を基に、行なわれました。

新井正夫部会長は「部会員それぞれの技術を共有し、今後の栽培に活かし、良質なものを生産してほしい。県産ブランドである秩父きゅうりの品質の向上を図りたい」などと話しました。

農林振興センターの松葉口 修さんから、今後の栽培管理について、開花の位置、葉の色や大きさ、節間長、接ぎ木部の太さなど細かく説明がありました。また、環境制御については、オランダ農業を参考に、光合成に良いとされる「飽差(ほうさ)」を3~6g/㎥に管理して欲しいと説明がありました。「飽差」とは、飽和水蒸気量と絶対湿度の差です。「飽差」3~6g/㎥の基準としては、「気温20度・湿度65~80%、気温25度・湿度75~85%、気温30度・湿度85~90%」となります。(相対湿度が100%では葉の蒸散を阻害してしまう)

 

昨年、栽培試験を5戸で行った「つる下ろし栽培」についての結果報告も行われました。結果、収穫期後半の収量の増加。大規模ではない、一般的なハウスでは、導入の効果が高かった。仕立て方には、検討の余地があります。

取り組んだ生産者からは、「草勢が良くなった。果形が良くなった。収量が増えた。手間がかかる。若い枝が増えるため病気になりやすい」などの感想がありました。

 

同部会の主力農産物は、キュウリ、ナス、インゲンで、それぞれ現地検討会や共進会など栽培指導を担当する指導部、市場との交渉や規格の統一化などを担当する販売対策部があり、生産から流通まで部会が行います。主力のキュウリは、7月まで収穫する「半促成栽培」と12月上旬まで収穫する「抑制栽培」の二期作で、有機質肥料施肥など義務付け、毎年土壌診断を行って施肥設計し、良食味を追及します。「秩父きゅうり」として、県産ブランド推進品目となっています。

 

「秩父きゅうり」

 

栽培技術を共有する部会員

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