「秩父きゅうり」現地検討会

JAちちぶ園芸部会は、平成29年3月21日、小鹿野町、茂木さんの圃場にて、「秩父きゅうり」の本格出荷を前に半促成胡瓜現地検討会を開きました。生産量の増大や品質の向上を図ります。

 

午前中に同部会指導部員やJA職員、県秩父農林振興センター職員、種苗会社ら19人が部会員の圃場6ヶ所を巡回。各圃場での生育状況や管理の確認をし、病害虫の早期発見や防除、展着剤の使用、適切な農薬の散布、薬液調整などを改めて指導しました。

 

巡回指導後、茂木さんの圃場で、各圃場での栽培状況を基に、現地検討会を開きました。

 

新井部会長は「部会員それぞれの技術を共有し、今後の栽培に活かしてもらいたい。良質な秩父きゅうりを多く出荷し、所得増大を図ってほしい」などと激励しました。

 

センターの松葉口技術普及担当課長からは、今後の半促成胡瓜栽培の管理について、説明がありました。

開花の位置、葉の色や大きさ、節間長、接ぎ木部の太さなどの草勢の確認。環境制御については、オランダ農業を参考に、光合成が最も行われる「飽差」を3~6g/㎥に管理します。「飽差」とは、飽和水蒸気量と絶対湿度の差です。「飽差」3~6g/㎥を基準として、気温20度・湿度65~80%、気温25度・湿度75~85%、気温30度・湿度85~90%となります。(相対湿度が100%では葉の蒸散を阻害してしまう)

これからの時期には、連日の曇天からの急激な日射を受けて、萎れる株が見られます。軽減させる対策として、湿度を高めに維持し、温度を下げます。根がしっかり張るように管理し、午前中の管理が最も重要です。病害虫対策としては、昨年は、ハダニが多発。アブラムシの発生もあるため、こまめに圃場を観察し、早期発見と防除が有効です。

 

同部会の主力農産物は、キュウリ、ナス、インゲンで、それぞれ栽培指導を担当する指導部、市場との交渉や規格の統一化などを担当する販売対策部があり、生産から流通まで部会が行います。主力の一つであるキュウリは、「秩父きゅうり」として、県産ブランド推進品目となっています。7月まで収穫する半促成栽培と12月上旬まで収穫する抑制栽培の二期作で栽培します。有機質肥料の施肥など義務付け、毎年土壌診断を行って施肥設計し、良食味を追及します。出荷先からは、味と香りが大変良いと高く評価されています。今年度は、雨量が少ないものの、部会員の徹底した管理により、例年通り、良質な秩父きゅうりができています。

 

生育状況を確認する指導部員 

生育状況を確認する指導部員

 

良質な圃場

良質な圃場

 

キュウリの花

キュウリの花