えごまの収穫/今年も栽培面積拡大
㈲モリシゲ物産(矢島繁社長)は、平成28年10月4日から中旬まで、秩父市吉田地域の圃場で、「秩父産えごま」の収穫をしました。
昨年、JAちちぶ秩父農機自動車センターから購入した、えごま刈り取り仕様にしたコンバイン(クボタコンバイン「エアロスターGP ARH430」)を搬入し、同社員が刈り取りをしました。
刈り取ったえごまは、「脱穀」「乾燥」し、油や味噌など各種商品に加工します。今年のえごまを使った商品は、11月下旬に販売予定です。
同社は、平成23年3月に発生した、東日本大震災及び原発事故により、福島県田村市にて、えごま栽培をしていたが、非難区域(20km圏内)になったことから断念しました。秩父市の紹介で、同地域の耕作放棄地となった農地などを借り、1haで栽培を始めました。今年で6年目を迎え、現在、同市内農家の協力栽培も含め、昨年よりも1.5ha拡大した、約5.5haで栽培しています。
9月の長雨や曇天の影響は、日照不足による生育の遅れがあったものの、例年通りの作柄となりました。
本社は、さいたま市にあるが、一昨年、JAちちぶの協力により、旧吉田支店を借りて加工場に改修し、稼働しています。えごまの油搾り、焙煎などを行います。現地スタッフも秩父郡皆野町から採用しました。
収穫を担当する上葛正人営業部長は「秩父地域には、良い農産物が多い。その特産品を工夫して、活かしていきたい。耕作放棄地を少しでも多く減らしたい」などと話しました。
国産えごまの人気は高く、今後も、同地域と連携し、栽培に取り組みます。
同社は、今年から、同地域の特産農産物の一つ「しゃくし菜(雪白身体菜)」も栽培します。「しゃくし菜」は、JAちちぶが買い取り、「ちちぶ菜漬け」に加工します。
えごまには、現代に食生活において不足しがちな「アルファリノレン酸」が多く含まれ、体内に入ると「EPA」や「DHA」に変化し、血流を改善し、動脈硬化予防や血中コレストロール低減などに効果があると言われています。