ボカシ肥料作りで地域農業の活性化に一役
JAちちぶ園芸部会両神支部は、平成29年2月2日、小鹿野町「ぼかしの里両神共同ハウス」にて、同支部員、小鹿野町産業振興課職員らが参加し、ボカシ肥料の切り返し作業を行ないました。完成したボカシ肥料約2tは、1袋当たり約17kgに詰め、提供します。
同町の各農産物直売所では、消費者がボカシ肥料を取り入れる生産者の野菜を指名買いしているほど好評です。切り返しなど重労働でボカシ肥料を導入できない高齢者世帯や小規模生産者に代わって、同支部員は自らのボカシ肥料作りとは別に、1・2・7月の年3回、約6tを毎年同町の助成を受けて作ります。
ボカシ肥料とは、有機肥料などを微生物によって発酵させたもので、窒素分の豊富な肥料が出来上がります。植物が吸収して効率良く使えるアミノ酸として、取り込みます。即効性があり、効率の良い資材です。菌の拮抗作用により、連作障害の抑制にも期待できます。
今回使用した材料には、一般的なものを使います。
工程
①ゼオライト1t、大豆粕260kg、菜種粕260kg、カニ殻180kg、こぬか330kgを広げます。
②菌の栄養剤となる砂糖2kgと片栗粉1kgを約40度の温湯で混ぜたものを発酵促進剤のバイムフード(酵母菌)2kgに混ぜ合わせます。
③それを全体の表面に広げ、散水しながら切り返します。切り返し作業は発酵菌のバイムフードが好気性菌のため、温度調節に加えて、酸素供給の意味合いも持ちます。
④その後、湯たんぽを入れて人為的に熱を発生させます。
⑤毛布で覆い、温度が上昇するまで、4日ほど寝かせます。
⑥50度以上60度以下を保ちながら、約8日間毎日切り返しをします。
⑦その後、乾燥させて発酵を止め、使用者が畑に施肥してから発酵が活発になるよう管理します。
新井部会長は「ボカシ肥料を共同で作り、提供することで、直売所の農産物の品質向上につなげ、地域農業の活性化にこれからも貢献していきたい。地域の高齢化が進んでいるので、農業を楽しむ一助になればうれしい。」などと話しました。