中山間地域で花卉生産
埼玉県の中山間地域に位置する秩父地域で、小鹿野町両神の町田實さんは、花卉の生産をしています。
實さんは、コンニャク農家でしたが、約25年前から花卉の栽培をしています。妻のスエ子さんと義娘の考子さんの3人で「花桃」「啓翁桜」「吉野桜」「山茱萸(さんしゅゆ)」「レンギョウ」「サンゴミズキ」「木瓜(ぼけ)」など1年を通して、30種類以上を約2haで栽培します。主な出荷先は、市場や直売所です。
實さんと考子さんは、JAちちぶ花卉生産部会や両神花卉生産組合に所属しています。考子さんは、約15aの圃場で花卉のほかに、ジャガイモやサツマイモなどを栽培し、直売所へ出荷しています。
同地域は、中山間地域のため鳥獣害による被害が多いです。花卉栽培も例外ではなく、鹿による芽や樹皮の食害。枝などを折られる被害があります。そのため圃場には、電気柵を設置して対応しています。
現在は、3月3日の桃の節句に向けて、「花桃」の出荷におわれでいます。
同部会では、規格を統一し、市場からの注文取りまとめ以降、今年は2月12日から下旬に掛けて、共同出荷します。
「花桃」の共同出荷前の工程は、長さ80cmにあわせて切って整えます。容器に水をはり、「花桃」を入れ、3日以上置く「水揚げ」をします。品質管理を徹底するため、「水揚げ」作業から鮮度保持剤を使います。「水揚げ」後、出荷日に合わせ、約20℃のハウスに約1週間置く「ふかし」を行います。ハウス内は、葉をつけないよう遮光し、空調管理や湿度管理を徹底します。出荷日を前に最低1日、花の変色を防ぐため、外気に触れさせる「慣らし」時間を置きます。
出荷には、埼玉花桃生産出荷協議会発表の花桃咲前基準表を参考に、出荷日に合わせ、適期にします。荷造り規格は、「L」「M‐1」「F(ファミリー)」の3種あり、1束2~5本で50~100束にし、1箱8kg以上とします。
實さんは「わからないことは、すぐにJAや農林振興センターなどの関係機関に確認して、調べることで、品質の向上や保持ができる。身体の動くうちは、頑張って出荷する。農業をすることで、体調管理につながっている。」などと話しました。