二条大麦「ゴールデンメロン埼1号」の播種!イチローズモルトの原料に向けて
埼玉県西部の中山間地域に位置する、秩父市太田地域にて、平成29年11月8日、農事組合法人大田営農は、二条大麦「ゴールデンメロン埼1号」の播種を行いました。
同法人は、太田地域で麦や大豆、水稲の生産や作業を受託する農事組合法人です。
栽培した大麦は、「秩父ウイスキー祭2017」がイギリスの専門誌が主催する「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2017」のシングルカスクシングルモルト部門で世界最高賞を初めて受賞した、酒造会社の株式会社ベンチャーウイスキーが「イチローズモルト」の原料として使います。同社は日本のみならず、世界のウイスキー愛好家からも注目されています。
「ゴールデンメロン埼1号」は昨年約90aで試験栽培し、調整後収量は約1.6トンでした。今年は約2.5haで栽培し、地域に適した栽培方法を検討します。収穫期は来年の6月上旬予定で、5月下旬から地域が黄金色に染まります。
栽培した大麦は、JAちちぶライスセンターで乾燥調製と検査をし、昨年栽培した大麦とあわせて、同社でウイスキーを製造。3年以上熟成させ、納得のいくものに仕上がった時に販売する予定です。秩父地域で栽培された二条大麦「ゴールデンメロン埼1号」がウイスキーを通して、世界に羽ばたきます。
地元で栽培した二条大麦の古代品種「ゴールデンメロン」を使い、同社は1960年代のウイスキーを再現したい想いから、県秩父農林振興センターが間に入り、同法人と提携して、「ゴールデンメロン埼1号」を使った地域ならではのウイスキーづくりに取り組みます。
日本で二条大麦の栽培が始まったのは、北海道で明治10年ごろ、本州では明治20年ごろです。当時栽培された品種は、外国から導入した「シバリー」と「ゴールデンメロン」です。「ゴールデンメロン」は、ウイスキーの醸造適正が優れていましたが、長稈(ちょうかん)(丈が長く倒伏しやすい)、晩熟などの欠点がありました。「ゴールデンメロン埼1号」は、栽培が難しいですが醸造適性に優れた「ゴールデンメロン」の系統品種の一つです。