夏蚕期の白繭出荷
埼玉県秩父地域は、古くから養蚕が盛んで、現在も地域の重要な作目として位置付けられています。高齢化や担い手不足、絹の需要及び繭価の低迷により農家戸数が減少しているものの、昨年の生産量は県内で1番でした。
JAちちぶ養蚕部は、平成30年7月27日、JA秩父西支店内の出荷所で、カラカラと良い音を響かせながら、夏蚕期(かさんき)の白繭の選繭(せんけん)と出荷を行いました。
部会員やJA職員、秩父農林振興センター職員らが参加。連日続いた酷暑の影響を受け、例年よりやや少ない白繭を製糸業者へ配送しました。
出荷した白繭は、県農林総合研究センター秩父試験地内の稚蚕飼育場にて、2齢まで育てた蚕を各農家へ配蚕し、育てたものです。
宮﨑部会長は「蚕の成育は順調だった。7月の過去にない暑さで、繭の中で蛹になれない蚕もいた。高温がとてもきいているが、各部会員の適切な管理で良い繭は出荷されている」と話しました。
今年度から初の試みで、県内各生産者の出荷繭の中から50粒を無作為に抽出し、県職員が汚染や穴あき、奇形などの外観の調査。繭を切り、蚕蛹(さんよう)の未化蚕、はなつき、硬化病、軟化病などを調査します。県内各生産者や産地の繭の品質を把握。格付けをし、繭の品質や生産者の意欲向上を図ります。
同部会では今年度、8戸の養蚕農家が、「いろどり」繭を春蚕期の1回、「白繭」を春蚕期、夏蚕期、晩秋蚕期、晩々秋蚕期の4回の出荷を予定します。