夏蚕期稚蚕共同飼育
JAちちぶ養蚕部会は、春蚕期(しゅんさんき)の出荷を21日に終え、夏蚕期の「白繭」の出荷に向けて、6月22日から7月1日、埼玉県農林総合研究センター秩父試験地内の稚蚕飼育場にて、稚蚕共同飼育を行いました。
1齢から2齢期の稚蚕は体が小さく弱いので、温度や湿度の飼育管理を徹底し、病気にならないように清潔な環境で飼育しなければなりません。そのため飼育が大変な稚蚕期を共同で飼育します。
部会員やJA職員らが参加し、初日には、消毒等の掃立作業の準備を行います。23日より蚕室内にて、蚕箔(さんぱく)に蚕座紙(さんざし)・防乾紙を敷き、その上に卵を植え付けた「蚕種の枠」を開いて置きます。その上に自動給餌機で裁断した人工稚蚕飼料「くわのはな」を与え、鳥の羽で掃いて整える作業が行われます。その後は、眠中(脱皮中)以外には毎日給餌し、7月1日に2齢になった蚕を各農家に配蚕(はいさん)します。配蚕された蚕は、約1ヵ月かけて、5齢で上蔟(じょうぞく)、その後収繭し、出荷となります。
瀨能紀夫部会長は、「夏蚕期は梅雨の影響もあり、桑の葉が柔らかい。柔らかい葉ばかりをあたえると、蚕が病気になりやすくなってしまう。特に3齢までは桑の葉を選定し、飼育しなければ。」と気を引き締めました。
秩父地域では、古くから養蚕が盛んで、現在も地域の重要な作目として位置付けられる伝統産業です。
夏蚕期の白繭の出荷は、7月下旬の予定です。
裁断した人工飼料による給餌