夏蚕期繭出荷にむけて稚蚕共同飼育
JAちちぶ養蚕部会は、夏蚕期の「白繭」の出荷に向けて、平成30年6月22日から7月1日、埼玉県農林総合研究センター秩父試験地内の稚蚕飼育場にて、部会員やJA職員らが稚蚕共同飼育を行いました。
1齢から2齢期の稚蚕は体が小さく、弱いので温度や湿度の飼育管理を徹底し、病気にならないよう、清潔な環境で飼育しなければならなりません。そのため飼育が大変な稚蚕期を共同で飼育します。
初日に消毒等の掃立作業の準備を行い、23日より蚕室内にて、掃立や給餌などを行います。
作業は、蚕箔(さんぱく)に蚕座紙(さんざし)・防乾紙を敷き、その上に卵を植え付けた「蚕種の枠」を開いて置きます。その上に自動給餌機で裁断した人工稚蚕飼料「くわのはな」を与え、鳥の羽で掃いて整える作業が行われます。その後は、眠中(脱皮中)以外には毎日給餌し、7月1日に2齢になった蚕を各農家に配蚕(はいさん)しました。今期の配蚕量は、18箱(1箱約27,000粒)です。配蚕された蚕は、5齢で上蔟(じょうぞく)、その後収繭し、出荷します。
秩父地域では、古くから養蚕が盛んで、現在も地域の重要な作目として位置付けられる伝統産業です。毎年12月3日に開かれる、日本三大曳山(ひきやま)祭りの一つ、「秩父夜祭り」も、一年の最後を飾る絹の大市の付祭りが発祥ともいわれ、別名「お蚕祭り」ともいわれます。しかし、高齢化や担い手不足、絹の需要及び繭価の低迷により、農家戸数が減少しています。
同部会では、今年度「いろどり」繭を春蚕期の1回、白繭を春蚕期・夏蚕期・晩秋蚕期・晩々秋蚕期の4回、年間の出荷を計画します。