委託栽培ニンニクで安定収入にむけて

JAちちぶは、平成30年8月3日、安定した農業収入増大にむけて、JA営農経済部で、「加工にんにく契約栽培講習会」を開きました。

生産者やJA職員、全農さいたま職員、県秩父農林振興センター職員ら25人が参加。全農の武政さんからは、今年度の契約栽培ニンニク出荷について説明がありました。

JA全農さいたま青果ステーションからの委託で、平成28年から継続して栽培。品種は、香りが強く、原種に近い嘉定種(かていしゅ)です。加工用ニンニクとして全量出荷し、契約先の業者が全て買取ります。規格はL・M・規格外の3規格で、収穫後の翌日出荷を厳守します。出荷時期は、翌年の5月下旬から6月上旬の予定です。

嘉定種は、地域の気候や地質に適していることから、多くの良質なニンニクが栽培されます。

 

JAの清川さんからは、資料を基にニンニクの栽培管理について、有機物を施用した土壌改良、排水対策、種球の選抜や消毒、植え付けや栽培管理などについて、詳しく説明されました。

良品生産(大球生産)のポイントとして、未熟堆肥は根を傷めるため、完熟堆肥で土づくりをします。

牛糞(豚糞・鶏糞は不可)などの有機肥料を使います。リン酸・加里過剰の圃場には、代わりにユーキフルペレットなどを使い、土壌改良します。

ニンニクは酸性に弱い作物なので、PH6.0~6.5(PH5.5以下では生育が悪くなる)を目標に矯正します。

排水の良く日当たりの良い圃場を選びます。

チッソ過剰施肥は病害を助長します。

肥料切れはニンニクが大きく育ちません。

黒マルチを使い、雑草防止や地温上昇、春先の乾燥防止をします。

発根部を下にして、地表3~5cmに植付けます(浅いと裂球しやすく干害を受けます。深いと萌芽が生育が遅れます)。

適期植付け(10月15~20日)をし、越冬前に球の肥大に必要な葉の枚数(5枚)を確保し、根量を十分に確保します。

冬の凍上がり、春の乾燥に留意します。

球の肥大が悪くなるため、珠芽(むかご)が葉鞘から完全に抜け出してから、とうの摘み取りを行います。

葉が30~50%くらい黄変した時期を判断材料とし、必ず試し掘りをしてから適期に収穫します。

 

今年度は、19軒の生産者が、契約総面積約1.3haで栽培します。中には遊休農地などを借り、栽培する生産者もいるため、耕作放棄地や遊休農地の解消にも繋がります。農業者増大を目指してJAで取り組む、ウィークエンド農業塾の塾生3人も今期の栽培に初挑戦します。

生産者は「今年も良いニンニクを栽培して、多く出荷したい」と意気込みます。

 

栽培された良質なニンニク

栽培された良質なニンニク