抑制胡瓜立毛共進会 優等賞に小鹿野町の新井さん
秩父地域では、抑制栽培された「秩父きゅうり」の出荷最盛期を迎えています。
JAちちぶ園芸部会では、平成29年10月3日、平成29年度抑制胡瓜立毛共進会を開き、生産者の栽培技術や品質、意識の向上を図りました。
結果、最高順位の優等賞には、小鹿野町の新井さんが輝きました。
秩父地域内各地区で選抜した13戸の圃場を生育状況や管理状況、病害虫、収量見込みなどを総合的に審査。部会員やキュウリ指導部役員、同JA職員、県秩父農林振興センター職員、種苗会社ら19人が審査員として巡回しました。
新井部会長は「出荷最盛期を迎え、栽培管理の重要な時期だ。各圃場を巡回し、部会員同士で情報や技術を共有してほしい。午後には、巡回の結果をふまえての講習会があるので、今後の栽培管理に生かして、良質な秩父きゅうりを多く出荷して、所得の向上を目指してほしい」と激励しました。
抑制栽培の栽培初期は、8月の長雨や曇天が続いた影響から、やや生育不良でした。9月からは好天が続いたため、生育も回復し、病害虫の発生や近年発生が多かったコナジラミも少なく、順調に収量を増やしています。
午後には、同JA小鹿野支店会議室にて、同部会生産者を対象にした講習会を開き、約40人が参加しました。センターや種苗会社からは、審査圃場の講評とともに、今後の栽培管理について説明がありました。
センターは、配布した資料を参考に、今後の管理全般について呼び掛けました。
・これから寒くなるので、加温や保温に注意をする「夜温度管理」。
・葉の老化を防ぐ制御をする「湿度管理」。寒くなると草勢が弱まるので、力枝の確保に努める「枝管理」。
・草勢が弱い場合には温度や湿度を上げるなど「草勢管理」。
これからの発生が危惧される病害虫として、べと病やうどんこ病、コナジラミ、アザミウマ、ウリキンウワバなどの発生に注意して下さい。対策として、湿度の徹底管理や適切な農薬の散布。防虫ネットの設置やハウス周辺の除草をして雑草を生やさないことも大切です。
同部会の主力農産物の一つであるキュウリは、「秩父きゅうり」として、県産ブランド推進品目となっています。現地検討会や共進会など栽培指導を担当する指導部、市場との交渉や規格の統一化などを担当する販売対策部があり、生産から流通まで部会が行います。2月から7月まで栽培する半促成栽培と8月から12月まで栽培する抑制栽培の二期作で栽培します。有機質肥料施肥などを義務付け、毎年土壌診断を行って施肥設計し、良食味を追及します。