新規就農者、ブランドきゅうりの栽培
秩父地域には、県産ブランド推進品目の「秩父きゅうり」があります。小鹿野町の黒澤忠弘さんは、JAちちぶ園芸部会に所属し、「秩父きゅうり」の栽培・出荷に励んでいます。
黒澤さんは、会社務めをしていましたが、子供2人の手が離れたときに起業をしたいと考えていました。平成25年に子供が就職したことをきっかけに、農業が注目されていることもあり、本格的に始めることにしました。
埼玉県秩父農林振興センターに相談。担当者は、県で取り組んでいる「明日の農業担い手育成塾推進事業」の同町「農業担い手育成塾」を紹介しました。同塾へ入塾し、受入指導農家の新井正夫さん指導のもと、同町を代表する農産物であるキュウリを栽培。地域住民とともに協調し合い、安全で高品質なキュウリの生産を目指しています。
1年目は、入塾後の抑制栽培の1作。2年目は、記録的な雪害による被害を受け、復興後の1作。3年目は、1年を通しての2作で栽培をして、十分な手応えを得ました。
現在は、就農4年目をむかえ、従業員7人とともに大型ハウス2棟、パイプハウス6棟にて、約700坪の面積でキュウリを主にトマト、パプリカを栽培しています。ハウスの増設をしており、2年後には、300坪の栽培面積を増やす予定です。出荷先は、市場・直売所・近隣のコンビニ・旅館などです。直売所などでは、「黒ちゃんの新鮮野菜」のシールを貼って販売をしています。
従業員のうち2人は、全国農業会議所が行っている「農の雇用事業」を活用し、正規雇用をすることにより、次世代の就農者も育てています。
黒澤さんは、「責任があるが、やりがいもある。楽しく就農することを心掛け、まわりにも農業の魅力を伝えたい。次世代の就農者が増えれば地域の活性化にも繋がる。」などと話しました。
昨年度の「秩父きゅうり」の出荷量は約80tでした。今年度は、120tの出荷を目指します。
同部会でのキュウリ栽培は、7月まで収穫する半促成栽培と12月まで収穫する抑制栽培の二期作で、有機質肥料施肥など義務付け、毎年土壌診断を行って施肥設計し、良食味を追及します。東京市場などからも評価が高く、食味・形が非常に良いと高単価で取引されています。