新規就農者、若手の農業への挑戦
秩父市下吉田で「いちごの森 あかずきん」を経営する、宇津木さん(33)は、1人で約10アールの圃場にて、イチゴ(品種:やよいひめ)の栽培・収穫・出荷をしています。
お土産専門で、直売所や道の駅などへの出荷とともに、配送希望の相談にも応じています。「甘くて美味しい」との電話もかかってくるほど好評で、徐々に固定客も増えています。
宇津木さんは、県農業大学校を卒業。進路を探していたところ、平成23年から県で取り組んでいる「明日の農業担い手育成塾推進事業」の「秩父市吉田農業担い手塾」を知りました。イチゴの観光農園事業に興味を持っていたことから、同塾に魅力を感じ、2期生として、毛呂山町から同地域へ、新規就農者の研修生となりました。
地域指導農家である大規模生産者から、栽培方法やハウス管理などを約10ヶ月教わりました。
平成24年には、同地域の生産者から、高齢で規模を縮小する際、使わなくなった大型ハウスを借り受け、同園を開園しました。
平成26年に同塾を卒業し、正式に農家となり、現在3年目になります。
宇津木さんは、県が認定している「環境に優しい農業を実践する農業者」であるエコファーマーにも認定されており、平成27年11月には、農水省がガイドラインで定めた、地域の節減対象農薬の使用回数が50%以下などの厳しい条件をクリアし、秩父管内イチゴ農園では、唯一「特別栽培農産物」の認定を受けています。
宇津木さんは「当初は、環境の変化にとまどったが、地域の人や生産者に支えられた。自分が就農してやっていくことで、若い人たちにも農業の魅力を伝えていきたい。」などと話しました。