晩秋蚕期の白繭出荷にむけて稚蚕共同飼育
晩秋蚕期の白繭出荷にむけて、JAちちぶ養蚕部会は、平成29年8月25日から9月3日まで、秩父市にある県農林総合研究センター秩父試験地内の稚蚕飼育場で、稚蚕共同飼育を行いました。
部会員やJA職員ら7人が参加し、晩秋蚕期の「白繭」の収繭(しゅうけん)・出荷に向けて準備が行なわれました。
瀬能副部会長は「7月下旬からの長雨で、桑の成長は早いが、葉が柔らか過ぎる。稚蚕の成育には望ましくない。いつも以上に配蚕からの管理が難しくなる。」と眉をひそめました。
2齢期までの稚蚕は体が小さく、弱いので温度や湿度の飼育管理をしっかりし、病気にならないように清潔な環境で飼育しなければなりません。そのため飼育が大変な稚蚕期を共同で飼育します。
作業は、初日の7日に消毒などの掃立(はきたて)作業の準備を行います。
25日より蚕室内にて、蚕箔(さんぱく)に蚕座紙(さんざし)・防乾紙を敷き、その上に卵を植え付けた「蚕種の枠」を開いて置きます。その上に自動給餌機で裁断した人工稚蚕飼料「くわのはな」を与え、鳥の羽で掃いて整える作業が行われました。その後は、眠中(脱皮中)以外には毎日給餌し、9月3日に2齢になった蚕を各農家に配蚕(はいさん)しました。
宮﨑部会長は配蚕時に「今期の桑の葉は柔らかいので、葉先から3枚目以降のものを与えてほしい」と各部会員らに給餌対応について伝えました。
配蚕された蚕は、5齢で上蔟(じょうぞく)、その後収繭して出荷します。
秩父地域は、古くから養蚕が盛んで、現在も地域の重要な作目として位置付けられています。しかし、高齢化や担い手不足、絹の需要及び繭価の低迷により、農家戸数が年々減少しています。
同部会では今年度「いろどり」繭を春蚕期(しゅんさんき)に1回、「白繭」を夏蚕期・晩秋蚕期・晩々秋蚕期に3回。計4回の出荷を計画します。晩秋蚕期は10月上旬に出荷する予定です。