横瀬町でブドウ栽培30年
秩父地域は、首都圏から近い自然豊かな地域として、毎年多くの観光客が訪れます。横瀬町のちしまぶどう園を経営する千島さんは、同地域で30年以上ブドウの栽培に励んでいます。約80aの圃場で、秩父限定品種の「ちちぶ山ルビー(商標登録)」や「サマーブラック」「巨峰」「ゴルビー」「シャインマスカット」など約20種類のブドウを栽培します。また、ブドウの他に埼玉県内でもは珍しいサクランボも栽培しています。
千島さんは「年々気候が変化し、病害虫も変わってきている。近年の気象条件には悩まされる。ブドウ栽培は日々勉強。」と高品質生産に余念がありません。
千島さんは、高校を卒業後、山梨県の苗木会社へ就職。20歳のときに父が経営する同園でブドウの栽培を本格的に始め、就農しました。現在は、秩父ぶどう組合連絡協議会にも所属しています。
観光農園として、ブドウ狩りが楽しめる他、園内の売店やJAちちぶ農産物直売所、道の駅果樹公園あしがくぼなどでの販売。ホームページからのオンライン販売で各地への発送にも対応します。
ブドウは、気候や土質、管理方法などで味に大きな差がでるため、年ごとの気候や品種などの状態を把握しながら栽培を進めます。適切な摘果や摘粒などを行い、品質の管理を徹底します。必ず糖度計で糖度を計り、味は妻や親戚などの農園関係者から厳しいチェックを受け、良いできのものを出荷します。多くの人においしいブドウを味わってもらうため、小分けパックで求めやすい価格で販売をするなど工夫をします。同園を訪れるリピーターも多く好評です。
千島さんは「ちちぶ山ルビーは、秩父ブランドとして定着して栽培数も毎年増えてきたが、これからは全体での品質を落とさないよう注意していかないといけない。お客さんに美味しいと言ってもらえるのがうれしい。これからも美味しいブドウを栽培していく」などと意気込みを話しました。
秩父地域は、県西部の中山間地域に位置し、盆地特有の寒暖差が大きい気象条件から味が濃く甘味のあるブドウができます。地域内でも標高差があり、生育状況が異なるため、同一品種であっても収穫期間に幅を持たせられます。札所や温泉などの観光スポットも多く、観光農業にとって好条件です。
ブドウ栽培は観光農園が主体のため、栽培品種数は50種を超えます。8月上旬から始まり、ぶどう狩りは10月下旬まで楽しめます。販売は遅い農園で11月上旬までされます。
地域での農業の担い手不足が進む中、ブドウ農園では多くの観光客が訪れ若い生産者や担い手も多くいます。