秩父産菌床シイタケの品質向上へ

JAちちぶきのこ部会は、平成29年7月25日、小鹿野町の宮本さんハウスにて、菌床(きんしょう)椎茸現地検討栽培講習会を開きました。

同部会員やJA職員、種菌(しゅきん)メーカー(株式会社北研)ら15人が参加。種菌メーカーが資料をもとに、夏季の菌床栽培での高温障害の原因と対策について説明をしました。

講習後には、ハウス内に入り、施設や栽培状況などの確認をし、意識や技術の共有を図りました。

 

菌床シイタケ栽培では、近年、5月から高温が続き、早期の高温障害の対策が求められています。秋からのシイタケの安定発生をさせるため、丈夫な褐変被膜形成や十分な養分吸収、健全な原基形成が必要です。

培養管理中のリスクとして、「菌床熱(菌床の活動熱)」「気温」「酸欠」の三要素による高温酸欠障害が発生し、深刻なダメージを受けます。

対策として、「遮熱」「排熱」「通気」「冷却」をキーワードに、菌床が完熟するまでの間、ハウス内温度を25℃以内に保ちます。菌床を高温に曝さず、通気による酸素の十分な供給が大切です。具体策として、「気化熱」を有効利用して冷却します。エバフローなどで噴霧した後、機械を止め(止めないと蒸散しない)、外気を少し取り入れながら送風機を稼働し、蒸散させます。それにより、菌床の熱を下げる働きがあります。

 

同地域の菌床椎茸の栽培農家は、平成26年2月の大雪によるハウスの倒壊、高齢化や担手不足により減少しています。そのため、現在、同部会員は56人です。

同JA菌床センターでは、今年9月中旬から菌床の生産を行う予定です。

同センターの髙田和光所長は、「今年も暑さが厳しい。菌床椎茸は、高温に弱いため、こまめにハウス内の管理を徹底し、良質な菌床椎茸を栽培してほしい。」などと話しました。

 

良質な菌床シイタケ

良質な菌床シイタケ