雪害乗り越え新規就農/日々研鑽する牛谷さん

秩父地域で栽培される、県産ブランド推進品目の「秩父きゅうり」は、半促成栽培の最盛期を迎えています。

小鹿野町で「秩父きゅうり」のハウス栽培をする、牛谷さん(40)は、新規就農して4年目を迎え、日々の栽培や出荷に奮闘しています。

 

牛谷さんは、父の趣味である家庭菜園を一緒にやっているうちに「これが仕事になれば」と考え、務め先を退職。県農業大学校で数か月、農業について学びました。

就農先を求め、農業人フェアで探したところ、新規就農者を募集していた、同町農業担い手育成塾を見つけました。募集内容や初めて訪問した時に「秩父きゅうり」を食べ、美味しさに惹かれ、就農先を決断しました。

 

平成25年に草加市から同町へ移り、同塾の新規就農者の研修生として、研修生受入指導農家の守屋さんから1年間、総合的な指導を受けました。

平成26年に高齢で規模を縮小するため、使わなくなったハウスを地域農家から借り受けました。ハウスにビニールを張り、2月に苗の植付けしようとした矢先、同地域を襲った記録的な大雪により、全棟が倒壊しました。

牛谷さんは「人生最大級の衝撃だった。心が折れた」と当時を振り返りました。その後、県や町による雪害対策や補助金などにより、ハウスを再建。晴れて就農することができました。

 

牛谷さんは、JAちちぶ園芸部会に所属し、主に市場への出荷をしています。1人でキュウリを約9aの圃場で、2月から12月上旬まで、半促成栽培と抑制栽培の二期作で栽培しています。ハウス内管理の徹底をし、肥料の葉面散布を行い、土づくりには、ボカシ肥料などの有機質肥料を使います。毎年土壌診断を行い、結果は年々向上しています。出荷等級も以前より良いものが出揃ってきています。部会員との情報共有は欠かせません。

 

牛谷さんは「小さな手間を惜しまず栽培すると、キュウリも応えてくれる。土づくりは、積み重ねだ。食べた人が美味しいと言ってくれるのがうれしい。自分の目指すキュウリが栽培できたら、規模の拡大もしていきたい」などと意気込みを語りました。

 

「秩父きゅうり」は東京市場への出荷がほとんどで、主に都内スーパーなどに並びます。県内では、JAちちぶ各農産物直売所へ、生産者が出荷するため、買求めることができます。

 

丁寧に育てた「秩父きゅうり」を収穫する牛谷さん

丁寧に育てた「秩父きゅうり」を収穫する牛谷さん

 

牛谷さんが育てた良質な「秩父きゅうり」

牛谷さんが育てた良質な「秩父きゅうり」